今回のCDのライナーノートを
西山亮に書いてもらった。
お礼に先日、CDの贈呈のために
西山監督と飲んだのだが、
頭のいい奴と飲むと
お喋りが楽しくて、いい。
頭の悪い奴と飲んでいると
不快さがいつまで経っても消えなくて、困る。
ある映画を見せて
学生に感想を言わせる。
「カメラワークがよかった」
「特撮シーンが革新的だ」
「あのシーンは『戦艦ポチョムキン』を引用している」
「そんなことを聞いているのではない。
そのスクリーンに何が映っているのかを、見よ。」
と言ったのは、当時東大で教鞭をとっていた、蓮見重彦だ。
人生において、
酒場において、
映画において、
西山監督は、そのことを熟知している。
西山監督の撮るドキュメント映画は
「そこに主観が入り込んでいるのかいないのか」
という、
常に論じられている
非常に下らない議論を
軽々と、乗り越えている。
そのスクリーンに映っているのは
正に、「面白い」という一点のものなのだ。
だから、
彼と、
映画「モナーク三軒茶屋410」
という映画を創った。
子供がこの反戦映画を見て
爆笑している姿を見て
勝った、
と思った。
その本質を見よ、
と言っている蓮見と同じ態度を
子供にとらせることができたからだ。
人生において、何を見るべきか。
酒場において、何を語るべきか。
映画において、何を撮るべきか。
今、彼と、新作を撮っている。
うちの母の映画だ。
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